明け方低空のパンスターズ彗星&ラブジョイ彗星2017/03/18

20170318パンスターズ彗星(C/2015 ER61)
昨夜から今朝にかけて、日付が18日へ変わるのに合わせたように小雨→快晴夜と激変しました。月の出前に天高く昇るタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星は撮影できませんでしたが、明け方に見えている低空の彗星を二つ観察することにしました。

ひとつは、今年10等以上になることが期待されているパンスターズ彗星(C/2015 ER61)。年始の1月6日に初めて捕らえましたが、それっきり。待てども待てども低空をさまよっている彗星で、天の川の星雲や星団に次々と並ぶ絶景シーンが何度もあったのに、全く撮れませんでした。ちょうど彗星の方向に建物や樹木、電線、眩しい街灯があるのです。

夜明けが迫る時間に何とか望遠鏡を向け、光害が最小限になるように気を付けながら短めのシャッターを切り続けました。左上は4:17から5分間の撮影で、上方向が天の北方向、上下画角は約1°、彗星位置基準の合成です。以前よりひとまわり大きく明るくなっており、10等台といったところ。淡く緑色のコマに覆われて、なかなか可愛らしい彗星ですね。

20170318ラブジョイ彗星(C/2017 E4)
お次は3月9日に発見されたばかりのラブジョイ彗星(C/2017 E4)。実はこちらが今朝の本命でした。現在は12等前後ですが、4月中旬に9等台になる予想です。ただしこちらも上記のパンスターズ彗星と同様あまり高くならず、一番高いシーズン(今月末)でも薄明開始時に20°あまりです。

右は4:48から5分間の撮影で、画角・方向などは上記のパンスターズ彗星と一緒です。こちらは淡く広がる緑色のコマのみで、彗星核のようなところは見えませんでした。もう航海薄明が始まるころでしたが、パンスターズ彗星よりも低くて、この時間まで待たないと隣家から顔を出しませんでした。月明かり+街灯+薄明で、よく写ってくれたものです。(※元画像は見た目がまっ白です…)

なおラブジョイ彗星とパンスターズ彗星は5°弱しか離れていませんでした。背景の星の移動方向が違うことから、それぞれ違うほうへ向かっていることがお分かりでしょうか。今朝が両彗星の最接近日だったようで、今後は離れてゆきます。その後、4月19日にはラブジョイ彗星がアンドロメダ銀河に5°弱まで迫る予定です。ただし低空ですよ…。

(※実はラブジョイ彗星と同じくらい低空の北側には更にもうひとつ、3月1日に発見されたばかりのボリソフ彗星(C/2017 E1)がいました。こちらは隣家に完全に隠れてしまう位置でした。)

参考:
ラブジョイ彗星(C/2017 E4)に関係する記事(ブログ内)

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