太陽近くを通るエンケ彗星2017/03/11

20170311エンケ彗星(2P)
しばらく夕空を飾っていたエンケ彗星(2P)。2月下旬には急速に高度を下げ太陽に近づき、ついに昨日近日点を通過しました。

たまたま本日の太陽観察のついでに太陽観測衛星SOHOの画像をチェックしていたらエンケ彗星が写っていたので引用しておきます。左が広視野のLASCO C3画像、右下がクローズアップのLASCO C2画像。画像中の時刻はJSTではなくUTです。日本時間にして11日12:40過ぎに撮影された画像ですね。(※蛇足ながら、LASCO C3画像中で太陽と画像右辺との中間付近の40光年先には、2月下旬NASAが発表した地球型7惑星があるTRAPPIST-1があります。)

20170311エンケ彗星(2P)
しっかり明るい頭部から左方向に尾が伸びていますね。LASCO C3には外合を過ぎて間もなく夕空に姿を現す水星も写っています。元サイトにある動画で見ると彗星がかなりの速度で移動してゆく様子が分かりますからぜひご覧ください。

エンケ彗星はこのあと暗くなりながら明け方の東空低空に顔を出し始めます。ただししばらくは超低空で、なんとか高度が15°程度になる5月中旬頃には14等程度の暗い彗星になってしまいます。

2017年3月近日点前後・エンケ彗星(2P)の動き
(追記)3月9日0時UTから3月12日0時UTまでに撮影されたLASCO C3画像を、12時間おきに切り出して並べてみました(左画像)。▲マークの先がエンケ彗星です。

連続して見ると、彗星と水星の動きや尾の変化、おまけに太陽コロナの変化などがよく分かりますね。背景の恒星位置を見ると、LASCO画像の縦横は黄道座標に揃えてあるようです。また地上から見た太陽と恒星との位置関係とはずれています。

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