暗くなった本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星2017/02/26

20170226本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)
2月も下旬に入らないうちから、関東平野部は安定した「夜の快晴」が望めない季節となってしまいました。夕方から明け方まで曇っていたり、たまに晴れても数十分おきに雲が湧いたり、強風で機材が出せなかったり…。こんな天候では暗い天体の観察・撮影ができないのです。

昨夜から今朝も雲が多かったのですが、明け方4時過ぎから雲が取れてきたため、急きょ本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)を撮影しました。薄明開始まで40-50分、いやその前に彗星が西側の建物に隠れてしまうかも、という切羽詰まった状況でした。

本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星は地球に接近した後あたりから十日以上撮影できずにいます。この間に光度が3等以上落ちているので、少々霞んでいる今朝の空では導入も簡単じゃありませんでした。ザックリと導入したらすぐ撮影です。フラットやダークを撮り終えた頃はもう明るい時間でした。

左上画像は4:30頃からの撮影で、32分露出(2分×16枚)の彗星位置基準コンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約1°。彗星にかつての面影はなく、核を取り巻く淡いコマと、西北西向きの尾、そして東南東向きのアンチテイルが確認できます。何とも面白い形ですね。彗星上の明るい星はHIP56178(6.70等)。彗星自体はしし座に入りましたが、この恒星はおおぐま座に属します。つまりこの写野は上下で星座をまたいでいるのです。今後もますます暗くなり、二週間後には12等台。小望遠鏡では歯が立たない天体となるでしょう。ただししばらくは観察しやすい位置に留まります。

参考:
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)

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