最大光度を迎えた金星2017/02/17


20170217金星
夕空の金星が今期の「最大光度」を迎えました。2月いっぱいは「昼でも容易に見える明るい星」として君臨するでしょう。(もっとも、最大光度でなくても金星は太陽に近くない限り青空の中で見つけることができます。)

今夕に晴れたら拡大撮影するつもりでした。全国的に雲の多い一日ながら関東の多くは快晴。でも午前から猛烈な「春一番」が吹き荒れ、夕方まで続いたのです。左は18時過ぎに撮影した宵の明星ですが、このときも目を開けていられないほどでした。薄明が終わる頃風が止んできましたが既に金星は低く、また雲もあちこちに湧いていたので諦めました。近いうちに再挑戦しましょう。

ところで1月27日の記事でお伝えしたように、いまは気象衛星ひまわりから「地球と金星のツーショット」が見える期間です。残念なことに今日は10分おきの撮影でたまたまうまく写らない日だったようですが、昨日は綺麗に写っていましたので下記に引用します(画像元:NICTサイエンスクラウド)。16日2:40のショットで、下左画像の緑矩形を原寸大トリミングしたのが下右画像です。原画の金星付近はRGBの位置ズレがあるので、その部分だけ修正しました。この時間の地球と同じように、やや三日月形をした姿まで分かりますね。このツーショットは概算で2月23日ごろにいったん終了し、3月25日頃まで見ることができません。

  • 20170216-0240気象衛星
  • 20170216-0240気象衛星


【補足】
最大光度の日付について多くの資料には本日17日と書いてありますが、CalSKYやNASA-Horizonsで計算すると数日後になるようです。(当ブログの惑星カレンダーはCalSKYに従っていますので最大光度は20日になっています。)はっきりした理由は分かりませんが、思いつくところでは「高精度の計算サイトでは厳密な光度式を使っている」「惑星位置の計算精度が違う」などいくつかの理由が考えられます。

自分でプログラムを作り、一般的に用いられる「金星の輝面積が光度に比例する」という簡略式で計算すると、光度のピークは本日17日になりました。実害(?)はないので目くじらを立てるほどでもありませんが、「考え方や計算法が違うとこの様なことがあるよ」「公の情報であっても盲信や過信せず、納得いくまで調べてみよう」という一例ですね。


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