寒くなる様子を雨温図で知る2016/11/01

2016年雨温図(つくば市/10月まで)
2016年11月初日。当地・茨城県の県南地区は夜明け前から結構な雨が降っています。昨夜は気温が10度を下回らなかったので、前日朝より寒さは感じません。ですが、10月に入ってからの気温急降下はかなり堪えました。この傾向は東日本の多くで見られたようで、気温の上下について行けず体を壊した方も多いでしょう。

よく「○月並みの寒さ」といった表現を天気予報などで聞きます。寒さだけでなく暑いときも聞きますね。例えば急に寒くなった4日前の10月28日には「都心で12月並み」でした。より細かく上旬、中旬、下旬をはさんで使われることもあります。

気象庁のサイトでは、各観測地の「旬ごとの平年値」が調べられます。これをメモしておくと、今日は「○月□旬並み」なのか、自分で判断できるでしょう。また地理の授業などで世界各国の気候をザックリ把握するとき登場する「雨温図」も便利です。居住地の平年値データで旬ごとの雨温図を描き手帳に貼っておけば、大まかながら「今年の夏は暑かった」とか「春先は雨が少なかった」など根拠のある判断ができます。受験くらいでしか雨温図が利用されないのはもったいない、知識は生活に役立ってなんぼです。旬区切りなら手描きでもできますからぜひ描いてみてください。

左上図は当ブログの基準としている茨城県つくば市のアメダスデータを使って描いた、2016年10月末までの旬区切り雨温図。平年値を棒グラフ、今年のデータを折れ線グラフで表現しています。また旬ごとの最高気温最高値と最低気温最低値も描いてあり、その旬内の気温の振れ幅が分かるようにしてあります。10月の平均気温は平年並みでしたが、気温の振れ幅が日に日に大きくなっている様子が分かります。比較として2013年から2015年までの雨温図(同縮尺)も下に掲載しました。気温や降水量が大きく変化するような旬は必ず特異的な原因(台風とか大寒波とか)があるので、理由も書いておくと良いですね。(例えば下右図の2015年9月上旬は鬼怒川が決壊した豪雨でした。)さぁ、11月はどうなるでしょうか。

  • 2013年雨温図(つくば市)

    2013年
  • 2014年雨温図(つくば市)

    2014年
  • 2015年雨温図(つくば市)

    2015年

今日の太陽と彩雲2016/11/01

20161101太陽
午前中は雨が降っていましたが、昼前には止みました。昼過ぎからは急速に青空が広がってきました。

20161101太陽リム
左は13:20過ぎの太陽。いくつか目立つフィラメントはあるものの、とても静穏ですね。プロミネンスもおとなしいままです。

20161101彩雲
冷たく広がってゆく青空には絹雲や飛行機雲がゆっくり流れていました。太陽に近づくと彩雲や光環を見せ、とてもきれいです。雲の位置がどんどん変わるので、彩雲の色もどんどん変化します。右画像はそのワンシーン。中央の青い塊はレンズによる太陽のゴーストですが、それ以外の雲の色づきは彩雲です。かなり広範囲に及んでいました。

金星と土星が接近中2016/11/01

20161101金星と土星
昼から晴れた一日も夕方になると雲が湧いたり、また消えたりの繰り返し。外出先を出たときはかなりの雲量だったのに、家に着く頃はほぼ快晴でした。といってもすっかり暗くなって、西空の金星も低くなっていました。

金星と土星の最接近は二日前の10月30日でしたが、当地は曇り。昨日もダメで、今日やっと見えました(左画像)。帰りが遅かったので前景を選ぶ余裕もなく、背景の薄暮もあまり美しくありません。もう15分早かったら良かったのになぁ。10月27日に見たときは縦並びでしたが、今夕は横並び。どこにどんな星があるかはマーカー入りの右下画像をご覧くださいね。アンタレスは電線に重なっています。また画像右下の欄外に月齢1.6の月がいたはずですが、アンタレスより低く、全く見えませんでした。なお、近くにアンタレスがいるので「金星と土星はさそり座で接近中」と思いがちですが、金星も土星も「へびつかい座」にいるんですよ。(画像中のOphというのはへびつかい座:Ophiuchusの略号。)

こうした惑星の接近はネットニュースのネタになる事もありますが、載っている説明図は二つの惑星が似たような大きさ、似たような明るさで描かれることが多いです。デフォルメを効かせてキャッチーな印象を狙っているのでしょうが、探す人のことや実際の空のことを考えていないのかなぁ、という気がしています。

20161101金星と土星
例えば今回の金星と土星、実際の空を肉眼で見るとこの記事の画像より更に光度差がある印象でした。星を探し慣れている私でも、探し始めの数分間は土星が見えませんでした。「金星は見えたけど土星はいなかったよ」という方も多いでしょう。高い空の現象なら時間をかけて探せますが、超低空のため、素早く見つけないとあっと言う間に沈みます。明るいはずの惑星接近ですが、やはり過信、慢心は禁物。普段からのトレーニングや慣れが大切と思います。