細かく修正された熊本地震のデータ2016/10/13

★当記事のグラフは大きなモニターでご覧頂くことをお勧めします。データに関しては記事末のコメントもお読みください。

熊本地震・地震回数(修正値との比較)
熊本地震からはや半年が経ちます。当ブログを定期的に訪れてくださるみなさんは、左のグラフに見覚えがあるでしょう。

気象庁から一昨日10月11日に『「平成28年(2016年)熊本地震」の震度1以上を観測した地震の回数及び震源等の精査結果について』という長いタイトルの報道がありました。簡単に言うと、これまで熊本地震の回数集計などで使われた震度・震源データのうち、10月10日までの最大震度1以上のものは正確に拾い出し終わりましたよ、ということです。

今までサイトやニュースなどで聞いていた回数はあくまで速報値。特に微少な地震は時間をかけて分析しないと、1回の地震なのか複数の小さな地震が重なっているのか分からないと言うことでしょう。かなり難しい作業になりそうそうなことは素人目にも分かります。

早速公開された大量の修正データを入手、1日かけて細かく解析して、地震直後から当ブログで追いかけていたのと同じ1時間ごと・最大震度ごとのデータとしてふるい分けしました。報道にもありますが、回数総計は文字通り倍増しています。

あらためて左図をご覧ください。これは前震発生日の2016年4月14日0時を基点とし、1時間ごとに最大震度別の地震回数をカウント、それを積み上げグラフにしたもの。9月末まで集計しましたが、最初の二週ぶんを掲載します。下の小さなグラフは今までの速報値による集計で、上の大きなグラフは今回の修正値によるもの。スケールは一緒なので回数増加は見たままの通りです。(※速報値のほうは「アーカイブ:2016年熊本地震の地震回数」にあるグラフと同じ。)両グラフを見比べると、特に16日本震から10日間ほどは震度1の回数が激増しました。速報では前震のほうが本震より少ない印象でしたが、修正後は圧倒的に本震直後に集中しています。機械的に分離できないほどの小さな地震が密集していたのでしょうね。

いちばん多かった4月16日2時台は137回、つまり震度1以上が毎分2回を越えてました。当然震度1未満まで数えたらもっと多いでしょう。同時に修正された震源データを見ても、当たり前のように1、2秒内の間隔で連続発生する地震があちこちにありました。「繁華街の雑踏で聞こえる会話を個々に分離する」ような緻密な作業をされた方々に敬意を表すると共に、被災者・被災地の一日も早い復興と、今後の地震研究が深まることを願っています。なお、修正後の集計データやグラフはもう少しエラーチェックした後、アーカイブで公開するかも知れません。

【今回の集計について】
気象庁サイトでは元データの他、日ごとにまとめたデータが公開されていますのでぜひご覧ください。当ブログでは1時間区切りの集計も鋭いピークが分かる点など大変興味深いと考え、今回はそれを行っています(※気象庁からは発表されてないようですので…)。ただし、気象庁がどのようなルールで関連地震を拾い上げているか公開してないので、独自ルールでカウントしました。結果は気象庁の集計とほぼ一致し、最終合計も一致していますが、4月-9月までのカウント値でどうしても1、2回ぶん合わない箇所があります(現時点では理由不明)。全体にほとんど影響ないですが、上グラフをご覧頂くときは私的なカウントであることをご了承ください。

参考:
2016年熊本地震に関係する記事(ブログ内)

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