台風20号が発生2016/10/09


20161009-0900台風20号
前線が通過して全国的に雨が降ってる今日の日本。連休なのに残念ですね。ところで、4日の15時から発生していた熱帯低気圧は昨夜21:00を持って台風20号(SONGDA/ソングダー)になりました。直前の台風19号の発生から2日18時間後となります。19号はまだ消滅してないので、今年9回目のダブル台風となりました。

左は本日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は台風中心の直径1000km円。左上に関東や中部地方が見えています。気象庁の予報ではいま日本に向かって進んでいますが、二日後あたりにくるっと向きを変え、離れていく予報。でも小笠原の島々は強風域に入りそうなので注意が必要ですね。

やっと衰えてきたハリケーン「MATTHEW」2016/10/09

ハリケーン「MATTHEW」の位置・気圧・風速などの速報データ履歴は10月2日の記事内に蓄積してありますので、そちらをご覧ください。(※全データではなく、勢力が強かった期間のみです。) 10月4日記事10月7日記事もどうぞ。
なおハリケーン「MATTHEW」は日本時間10日朝から前線を伴う普通の低気圧扱いになったようです。

ハリケーン「MATTHEW」
各国で大きな災害を引き起こしたハリケーン「MATTHEW」の動向ですが、ようやく勢力が衰えつつあります。といってもまだ「ハリケーン」に分類される(風速64ノット以上=約33m/s以上)、「強い台風」クラスに相当する嵐なので油断はできません。日本時間9日午前の時点では、フロリダ半島からサウス&ノースカロライナの沿岸をなぞるように進み、少しずつ東の大西洋側へ反れつつあるようです。

左はNASA・Earth Observatoryサイトからの引用で、7日16:00UTC(8日1:00JST)に撮影されたハリケーン「MATTHEW」。ちょうどハリケーン中心近くにアメリカがロケット打ち上げで使用するケネディ宇宙センターやケープカナベラル空軍基地がありました。

ここまでハリケーンがどんな勢力でどこを通ってきたか、9月29日0:00JSTから今日9日6:00JSTまでの速報値を使い、改めて地図を描きました(右下図)。数値は各位置ごとの「中心最低気圧/最大風速」で、ルートの色は最大風速を反映しています。図中の日時はUTC(協定世界時)表記、気圧はhPa、風速はkt(ノット)です。10月7日記事の時点では、今後少しずつ時計回りにUターンして再び南下する予報でしたが、バハマ諸島側にたどり着く前に弱くなってしまうみたいです。強いままカリブ海に戻ってきたら悲惨ですからね。

ハリケーン「MATTHEW」経路
今年の日本近海でややこしい動きをした台風10号や、ちょうどいま香港近くで足踏みしている19号のように、フロリダ沖を含むアメリカ東側近海でUターンなど「予期しない動き」をするハリケーンはあるのでしょうか?そう考えて、1950年から2015年まで過去のハリケーン(ハリケーンより弱いものも含む全て)をしらみつぶしに探してみました。少なくとも10を越えるケースが見つかりましたが、その中でも特に目を引いた5例のルートを下左に掲載します。(強さに関係なく描いています。)うーん、なかなかすごい…。因みに、遠洋海域ならもっとたくさんありました。

いわゆる謎に満ちた「バミューダトライアングル」の印象が重なり、少々不気味ですね。もちろん、こうした動きは気圧配置とか上空の気流、海水の温度など色々な柵の中で移動が決まっていくのでしょうから、「魔物の仕業」で済む話ではありませんが…。こんなところに船や飛行機が迷い込んだら、どっちに逃げても嵐から逃れられないでしょうね。参考までに、NOAAによる今日3:00JSTの大西洋実況天気図を下右に引用しておきます。こういう機会に海外の天気図に触れるのも面白いですよ。(図の左下にフロリダ半島やハリケーン「MATTHEW」、右上にアイルランドやイギリスがあります。)

  • アメリカ東海域で蛇行する嵐
  • 20161009-0300大西洋実況天気図