明け方に並んだ月とアルデバラン2016/08/26

20160826明け方の東空
昨夕からとてもよく晴れています。適度に気温が下がり、夜も近くの公園を騒がせていたセミが全く聞こえません。秋の虫たちの心地よい音色が響きます。あぁ、待ち焦がれていた秋ですねぇ。日付が26日になる1時間ほど前に下弦の月が昇ってきました。月の北の縁からわずか10分角のところにアルデバランが寄り添っていたのですが、まだ低すぎました。少し離れてしまうけど夜明けまで待って撮影することにしました。

20160826明け方の東空
薄明が始まる前、3時過ぎに起きてみるとヒンヤリした空に月が煌々と輝いています。もう冬の星座たちはだいぶ高く昇っていました。左は3:30頃の東空。天文薄明が始まる時間です。月の近くにはアルデバランと、周囲に広がるヒアデス星団が並んでいました。どこにどんな星があるかは右画像をご覧ください。

月とアルデバランは約1ヶ月に1回接近しますが、接近のタイミングが必ず日本の夜になるとは限りません。うまくいけば今回のように見えたり、あるいは月によって隠される「アルデバラン掩蔽」となります。2015年から2017年にかけて、このアルデバラン掩蔽の当たり年。今年2016年は2月16日、5月8日、7月2日、9月22日、11月16日の5回、一部を除く日本の空で見ることができます。(※ただし夜とは限りません。)

20160826月とアルデバラン
またもし掩蔽が起こらない月でも、今回のようにすぐ近くに並ぶというわけです。11月16日明け方に起こるものは南西の空高い位置で起こり、月が眩しいものの最高の条件。晴れたらご覧くださいね。詳しくはアーカイブ:1.5等星以上の掩蔽をどうぞ。

月とアルデバランを少し拡大して撮ってみました。これくらいの月齢では露出を伸ばすと月がまっ白に飛んでしますため、右画像は段階露光による合成処理をしています。アルデバランの回りはヒアデス星団の星々でいっぱいですね。薄明が始まった低空にはシリウスも輝いています。久しぶりの星空をゆっくり楽しめました。

日本に迫る雲の帯、台風10号も心配2016/08/26


今日は午前中から東北地方や北海道を中心に雨が降っているようで、日本海側から次第に太平洋側へ拡大しています。

実は昨日の気象衛星画像でものすごいベルト状の雲が出ていたので気になっていました。この帯…正体はとても発達した寒冷前線…が日本に差しかかっているのですね。下は昨日25日と今日26日、各12:00の衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。昨日の時点でものすごく太くて長い雲の帯が、北はオホーツク海北西側から、南はヒマラヤあたりまで連なっていますね。帯が長すぎるので、通過し終わるのにどれだけかかるやら…。特に長雨が続く北海道と東北は心配です。なにも台風だけが気象の脅威ではないので、記事に取り上げてみました。
  • 20160825気象衛星画像

    2016年8月25日12:00
  • 20160826気象衛星画像

    2016年8月26日12:00

20160826台風10号
台風10号はまだ移動がゆっくりですが、気象庁の予報通り北東へ移動を始めました。(※現在はもっぱら東進のみ。)左は本日12:00の気象衛星画像。各赤点円は台風中心の直径1000km円、また薄緑点線は10号が台風になってからの中心経路です。上の画像にも写っていますが、昨日よりひとまわり大きくなっていますね。現在は「非常に強い」クラスですが、28日には最も強い状態を表す「猛烈な」台風になるとのこと。

今日正午現在の予報では30日に関東直撃のルートで、最強クラスの直接上陸を経験したことがない関東にとって、試練の数日間になりそう。どんなコースにしても29日には本州のどこかに影響が出てくると思われますから、お早めの対策を!予報進路は日に日に変化するので、常に気象庁発表の最新のものをご覧くださいね!

今日の太陽2016/08/26

20160826太陽
昨夜からの快晴に続き、今日も概ね晴れています。北海道、東北、日本海側、中国地方などで雨が降っているようですが、当地・茨城はそんな素振りも感じません。

20160826太陽リム
左は14:20頃の太陽。相変わらず静穏です。小さな黒点があるにはありますが、活動領域は活発ではありませんね。時折Bクラス程度のX線フラックスが観測されている程度。中央左の若干明るい活動領域は12581です。プロミネンスは右上に小さくチョロッと見えるだけでした。

今日も見えた反薄明光線2016/08/26

20160826反薄明光線
18時前後、夕涼みにベランダから空を観察しました。西北西に大きな金床雲があり、くっきりした反薄明光線が伸びています(左画像)。北側への光線がはっきりしていますが、南側も何本か見えました。昨日に続き、二日連続です。

降雨レーダーや気象衛星を調べると群馬県西部に積乱雲が発生し、雷雨になっているようです。右下画像は17:30の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。

20160826夕方・気象衛星画像
積乱雲と観察者(私)の位置を書き込んであります。昨年の記事にあるような単独の積乱雲ではないため、高低差が少なく積乱雲自体の影がはっきり見えませんが、雲から観察者に向かって暗くなっていますね。これを見ていたのです。なお、この積乱雲の直下にあった草津町付近では18:30までの1時間に約100mmという記録的短時間大雨情報が出ています。※下画像(c)に気象庁サイトによる18:00の降雨レーダー画像を引用しました。

下画像(a)は金床雲の南側、下画像(b)は反薄明光線のフリをして見えていた小さな反転飛行機雲です。通常の飛行機雲は青空の中に白い筋として見えますが、逆に雲の中を通過した飛行機によって雲が筋状に消えてしまった状態を反転飛行機雲(逆飛行機雲)といいます。

  • 20160826反薄明光線

    (a)
  • 20160826反転飛行機雲

    (b)
  • 20160826-1800降雨レーダー

    (c)