お天気雨と見えない“台風”2016/07/31


20160731昼の空
7月最後の今日、関東は午前中から所々で雨が降り出しています。左画像は本日13時過ぎの空。ベランダで撮りましたが、このときも青空や日差しが見えるのに背後からバラバラと雨が降っているお天気雨状態。太陽高度が高いので、残念ながら虹は見えないようです…。

20160731-1200降雨レーダー
気象庁サイトから12:00の降雨レーダーを右に引用しました。この後も加速度的に雨の範囲が増していました。本日の降雨箇所は右上から左下、つまり北東から南西に向かって流れています。

気象衛星可視画像を見てみましょう。左下画像は12:00の様子(画像元:NICTサイエンスクラウド)。右上に日本、左下には昨日台風となった台風4号が見えます。かなり渦がしっかりしてきて、1日内外で「強い」台風になるとの予報も出ていました。でもさすがに関東からは離れているので、今日の雨は台風のせいではありませんね。

20160731-1200気象衛星可視画像
見ると、関東の南東に大きくカーブしたような雲がかかっています。これ、数日前からゆっくり北上していたものですが、あたかも台風外周にみられる渦の腕のような姿。ところが中心には何も見えません。透明な台風……???今日の天気図を確認しても、ここに低気圧などは描かれていませんでした。(※29日頃までは弱い低気圧でしたが消滅。)

ところが…。気象衛星ひまわり8号は可視光だけでなく赤外領域を波長ごとにたくさん撮影しています。それぞれの画像が意味するものは異なりますが(気象衛星センターサイト「放射計」参照)、この中で主に水蒸気量を表すバンド8を見てみると、可視画像では見えなかった「渦」が見えていました。大きさや整った形を見る限り、ちょっとした台風みたい。(もちろん本物の台風とは違いますが。)

20160731-1200気象衛星赤外画像
右画像は上の可視画像と同じ時間のバンド8画像(※渦が見やすいように画像処理しています)。目には見えませんが、湿った空気がしっかり渦巻くほどの対流があったのですね。この見えない“台風”に沿って移動していた雨雲が、北東からやってきて関東に雨を降らせているようです。

姿を消して忍び寄り雷雨を浴びせるなんて、なんとまぁ壮大な忍者でしょうか。空模様はホント興味をそそられることばかりです。

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