昨夜から今朝の天体観察2016/05/13

20160512夕空
昨夕は予報通りの快晴。しかも立夏を過ぎたのに茨城から富士山が見えるほど透明感がありました。夕空はとても美しく、日が沈んでからしばらくボーッと見とれてしまいました。どこまで持つか分かりませんが、ずっと悪天で星空観察ができずにいたため、いくつかの天体を見回ることにしました。

20160512_07503月
まずはなんと言っても宵空を飾るお月さま。こんなに美しい初夏の月を見たのは何年ぶりでしょう。上弦前の五日月ですが、このくらいの形はとても好きです。

左は12日19:35頃の撮影で、太陽黄経差75.03°、撮影高度は48°弱、月齢5.63です。小さく揺らめいてはいましたが、概ね良い像となりました。風はなく、もちろん雲もなく、薄明が終わろうとする空にただただ静かに輝いていました。

二日後は月面Xデーですが、今月は条件がよくありません。6月・8月・10月と好条件が続くので、楽しみは取っておきましょう。


お次は新しく発見された超新星の観察です。昨年の5月にも発見している星仲間の「(の)さん」(←これがハンドルネーム)が見つけました。発見は4月末だったのですが、残念ながら別の捜索者が10分早く報告していたので、独立発見ではあっても第一発見者にはなりませんでした。

20160512_NGC2649超新星
でも本人が見つけたのは間違いない事実ですからね。減光しないうち記念に撮影しておこうと思いました。

ターゲットはやまねこ座の一角にあるNGC2649という13等の銀河。超新星の光度は16等後半という暗さです。月が20°位しか離れてない条件で小さな望遠鏡で写すのはかなりの難関。おまけにのんびりしてると建物に隠れてしまうので焦りまくりでしたが、1時間ほど悪戦苦闘した末、12日21時台になんとか撮影できました。右画像の▲マークの星が「星の最期の輝き」なのです。(の)さんご本人によるこの夜の光度は16.9等とのこと。

このあと少し雲が出てきてしまいました。体力的にも燃え尽きてしまい、しばし睡眠。再び明け方に起き出すと、まだ晴れたり曇ったりを短い周期でくり返していました。いろいろ見たかったのですが、ターゲットを明け方低空のパンスターズ彗星(C/2013X1)のみに絞り機材をセット。雲が切れるのを待ちました。

20160513パンスターズ彗星(C/2013X1)
低空のコンディションが良く分からなかったのですが、何十枚か撮影した三分の一は雲でNG。どうにか撮れていたコマで合成したのが左画像です。4月30日の撮影よりもずっと明るく、彗星らしくなりました。相変わらず薄明が始まっても高度10°台で撮影しなければならず、尾ははっきり写し取れません。でも何となく見えてるような…。せめて頻繁に通り過ぎる薄雲がなければ良かったのに。

…などと、なかなか晴れないのに贅沢言ってはいけませんね。また次のチャンスに楽しむとしましょう。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)

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