九州で発生した大地震 ― 2016/04/17
熊本で14日夜に発生し、その後も余震が続く九州の地震。遠い地で土地勘もないのでなすすべがありませんが、祈ること以外に何かできないかと考えています。少しずつ時間が経って全容が分かってきたので、個人のできる範囲で情報整理をしておきます。
(追記:関連記事1、
関連記事2、関連記事3などもあります。ぜひご覧ください。)
最初の大きな地震は2016年4月14日21:26頃発生しました。気象庁発表の速報値は「震源地は北緯32.7度・東経130.8度、震源の深さ約10km、マグニチュード6.4」です。その後震度5から6の余震が続き、さらに16日1:25には「震源地は北緯32.8度・東経130.8度、震源の深さ約10km、マグニチュード7.1」なる大きな揺れが観測されました(※後日M7.3に修正)。現時点ではこれが「本震」、14日の最初の揺れは「前震」と報道されています。
この記事を書いている時点でまだ気象庁のデータベースに直近の地震データが蓄積されていませんでした。(→後日地図差し替え。)14日夜以降16日までの間に起きた最大震度6弱以上の地震震源を、気象庁データベースを使って描きました(左上図)。背景は産業技術総合研究所・地質調査総合センターから公開されている地質図Naviによる地図を淡く重ねています。
時間経過に伴って大規模地震の震源が移動する様子は度々聞きます。今回も最初のころと比べ場所が移ってきました。大分県あたりまで伸びてきてますね。また海のほうへも向かっています。(前述の関連記事1で、GoogleMap上で推移を見ることができます。)
最初の大揺れが本震ではなかったとのことで驚きましたが、そう言えば東日本大震災のときも2011年3月11日14:46の揺れの2日前に震度5弱の前震がありました。本震後も長い間余震が続いたため、当地茨城でも多くの人が一日中酔っているような感覚に陥ったものです。右は2011年3月11日から1週間の間に起こったマグニチュー2.5以上の地震をプロットしたもの(出展はアメリカ地質調査所、気象庁発表値とは若干違います)。必ずしも震災関連の地震とは限りませんが、実に1800回を超す規模でした。
九州の余震がいつまで続くのか分かりませんが、参考として2011年3月6日から3月19日までの2週間に発生した地震の「最大震度別回数」を下に載せました。気象庁の地震データベースを使い、日ごとに区切って集計しています。(※大震災関連の余震かどうかの区別はしていません。)本震前の期間を見ると普段でも震度1程度は数回以上起きていますが、本震以降は桁違いで、しばらく鳴り止まないことが一目瞭然。本震の4日後でも震度6強、8日後でも震度5強の揺れが起こっています。地震は地域毎の特徴がありますから互いに同じ傾向とはなりませんが、数ヶ月以上経って少し落ち着くまで用心はすべきでしょう。また揺れを気に病みすぎて精神的に消耗しないように配慮することも大切なこと。二律背反とでも言えそうな防災の心構えは、日本で暮らす上での宿命ですから。(後日追記:4月22日記事に震源推移を示した地図を掲載しました。)
17日明け方現在、九州にはやや強い雨が降っています。地盤が緩み、土砂災害が心配です。リアルタイムではありませんが、各地の被災画像をGoogleクライシスレスポンスがまとめてくれています。これも下記に引用しておきますので画像をぜひご覧ください。(Googleクライシスレスポンスは2015年9月の当地・鬼怒川決壊の際にとても参考になりました。)
★下のGoogleクライシスレスポンス地図には、被災画像だけでなく、道路状況や天気、給水所や炊き出し場所、営業スーパーなどの情報まで随時蓄積されています。「レイヤ」メニューから「熊本地震リソースマップ」などもチェックしてみてください。お近くの方だけでなく、どなたも利用する可能性があります。いざというとき慌てないよう、ツールは使い慣れておくことが肝心ですよ。
※このブログ記事は性質上、随時修正を加える可能性があります。ご了承ください。
参考:
2016年熊本地震に関係する記事(ブログ内)
国土地理院:平成28年熊本地震に関する情報(画像・動画・地図情報)
鬼怒川氾濫を省みる(2015/09/11)
最初の大きな地震は2016年4月14日21:26頃発生しました。気象庁発表の速報値は「震源地は北緯32.7度・東経130.8度、震源の深さ約10km、マグニチュード6.4」です。その後震度5から6の余震が続き、さらに16日1:25には「震源地は北緯32.8度・東経130.8度、震源の深さ約10km、マグニチュード7.1」なる大きな揺れが観測されました(※後日M7.3に修正)。現時点ではこれが「本震」、14日の最初の揺れは「前震」と報道されています。
この記事を書いている時点でまだ気象庁のデータベースに直近の地震データが蓄積されていませんでした。(→後日地図差し替え。)14日夜以降16日までの間に起きた最大震度6弱以上の地震震源を、気象庁データベースを使って描きました(左上図)。背景は産業技術総合研究所・地質調査総合センターから公開されている地質図Naviによる地図を淡く重ねています。
時間経過に伴って大規模地震の震源が移動する様子は度々聞きます。今回も最初のころと比べ場所が移ってきました。大分県あたりまで伸びてきてますね。また海のほうへも向かっています。(前述の関連記事1で、GoogleMap上で推移を見ることができます。)
最初の大揺れが本震ではなかったとのことで驚きましたが、そう言えば東日本大震災のときも2011年3月11日14:46の揺れの2日前に震度5弱の前震がありました。本震後も長い間余震が続いたため、当地茨城でも多くの人が一日中酔っているような感覚に陥ったものです。右は2011年3月11日から1週間の間に起こったマグニチュー2.5以上の地震をプロットしたもの(出展はアメリカ地質調査所、気象庁発表値とは若干違います)。必ずしも震災関連の地震とは限りませんが、実に1800回を超す規模でした。
九州の余震がいつまで続くのか分かりませんが、参考として2011年3月6日から3月19日までの2週間に発生した地震の「最大震度別回数」を下に載せました。気象庁の地震データベースを使い、日ごとに区切って集計しています。(※大震災関連の余震かどうかの区別はしていません。)本震前の期間を見ると普段でも震度1程度は数回以上起きていますが、本震以降は桁違いで、しばらく鳴り止まないことが一目瞭然。本震の4日後でも震度6強、8日後でも震度5強の揺れが起こっています。地震は地域毎の特徴がありますから互いに同じ傾向とはなりませんが、数ヶ月以上経って少し落ち着くまで用心はすべきでしょう。また揺れを気に病みすぎて精神的に消耗しないように配慮することも大切なこと。二律背反とでも言えそうな防災の心構えは、日本で暮らす上での宿命ですから。(後日追記:4月22日記事に震源推移を示した地図を掲載しました。)
17日明け方現在、九州にはやや強い雨が降っています。地盤が緩み、土砂災害が心配です。リアルタイムではありませんが、各地の被災画像をGoogleクライシスレスポンスがまとめてくれています。これも下記に引用しておきますので画像をぜひご覧ください。(Googleクライシスレスポンスは2015年9月の当地・鬼怒川決壊の際にとても参考になりました。)
【最大震度別・地震回数の推移 ※2011/3/6〜3/19調べ】
期間 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 | 3月11日 | 3月12日 | 3月13日 | 3月14日 | 3月15日 | 3月16日 | 3月17日 | 3月18日 | 3月19日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
震度1 | 4 | 4 | 3 | 16 | 11 | 180 | 372 | 220 | 139 | 132 | 145 | 106 | 93 | 116 |
震度2 | 0 | 2 | 0 | 10 | 4 | 174 | 222 | 95 | 83 | 52 | 41 | 48 | 34 | 37 |
震度3 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 106 | 93 | 27 | 20 | 30 | 22 | 13 | 10 | 4 |
震度4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 45 | 36 | 4 | 4 | 2 | 4 | 3 | 1 | 3 |
震度5弱 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 10 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
震度5強 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
震度6弱 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
震度6強 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
震度7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 4 | 8 | 3 | 29 | 18 | 519 | 728 | 347 | 247 | 217 | 213 | 170 | 138 | 161 |
★下のGoogleクライシスレスポンス地図には、被災画像だけでなく、道路状況や天気、給水所や炊き出し場所、営業スーパーなどの情報まで随時蓄積されています。「レイヤ」メニューから「熊本地震リソースマップ」などもチェックしてみてください。お近くの方だけでなく、どなたも利用する可能性があります。いざというとき慌てないよう、ツールは使い慣れておくことが肝心ですよ。
※このブログ記事は性質上、随時修正を加える可能性があります。ご了承ください。
参考:
2016年熊本地震に関係する記事(ブログ内)
国土地理院:平成28年熊本地震に関する情報(画像・動画・地図情報)
鬼怒川氾濫を省みる(2015/09/11)