高度を上げるリニア彗星2016/03/27

20160327リニア彗星(252P)
昨夜は次第に雲が多くなり、日付が今日になる頃には全天曇ってしまいました。リニア彗星(252P)を撮りたくてあきらめず待っていたら、薄明が始まった頃ようやくさそり座辺りまで雲が引きはじめたのです。間に合うかも知れないと急いで支度し、近くの見晴らしよい公園まで移動しました。

3月25日の撮影時よりも倍以上の高度になったため、労せず視界の確保ができます。光害や月光は避けられませんが、少しでも露出が増えれば淡い彗星はよりしっかり写せるでしょう。左の画像は天文薄明がすっかり始まっている4:30前後の撮影で、画角は7.0°×4.8°、恒星位置基準による合成、上が天の北方向です。

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今朝のリニア彗星はさそり座の有名な散開星団M6に並んでいました(中央はさんで彗星と反対側の星団)。右は上の画像を彗星基準で合成し直し、彗星中心に約2°四方をトリミングしたもの。まだ地球に近いためか、緑色に光る彗星のコマ(頭部の広がり)が大きく見えます。街中での撮影にもかかわらず、コマは月の視直径に届くほど大きいことが確認できますね。

20160327リニア彗星(252P)
左は最初と同じ範囲を彗星位置基準で合成し、白黒反転したもの。背景に斑がありますが、画像処理の斑ではなく主に天の川の濃淡です。ここは銀河の中心近くなので星が密集していますね。もっと光害のない条件良い場所で見たら天の川と彗星のコラボレーションが素晴らしいでしょう。月がありますが今月いっぱいが見ごろです。

参考:
リニア彗星(252P)に関係する記事(ブログ内)

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