閏日とダイヤモンド富士2016/02/29

2009年1月のダイヤ富士比較
今日は閏日です。地球が太陽を4周するとスタートラインより約1日(23時間15分ほど)手前になってしまうので、思い切って1日(24時間)足してつじつまを合わせる決め事ですね。昨年は閏秒が挿入されましたが、これも同じこと。現在行われている時間調整量の一番大きいものが4年に一度の24時間挿入なのです。

「時間(日付)が変わるだけだよね」と思われがちなのですが、それに伴って見え方が変わってしまう事があります。そのひとつがダイヤモンド富士。まず左画像をご覧ください。2009年1月の二日間にわたって茨城県内の同じ位置から撮影したダイヤ富士です。(→当日記事はこちらこちら。)雲で見辛いですが、太陽は赤矢印方向に移動しながら、赤矢印先端付近が最後に富士山へ隠れます。たった1日ですが、茨城ではこれくらい差が出ました。冬至後なので右へずれたようになってますが、実際は太陽位置が黄道に沿って左上(天の北東側)に約一日ずれた結果です。

これを踏まえて、下の作図を見てください。これは定評のある3D地形ソフト「カシミール」を使って、「毎年同じ場所・同じ時刻でダイヤ富士を見たらどうなる?」というシミュレーションです。場所は東京スカイツリー近くの架空の場所、日時は2月4日17:00固定です。2013年から2017年まで5枚の画像を下部ボタンで切り替えられます。日時も場所も同じなのに日没位置が少しずつずれることが分かりますか?そして2017年になると、急に2013年とほぼ同じ位置に戻っていますね(※ピッタリではありません)。2016年撮影のあとに閏日が挿入されましたから、実質的には2017年は指定日の翌日に見たのと同じ事になったわけです。

撮影地が山の近くだったりロケーションを頻繁に変えてしまう方は気にならないかも知れませんが、ダイヤ富士(ダイヤ筑波)カメラマンさんはこの「閏年現象」を理解しておくことをお勧めします。ダイヤ富士がずれる程度なら楽しみが一日シフトするだけで済みますが、これは何もダイヤ富士に限ったことでなく「毎日の日出・日没時刻や場所は、同じ日付でも年によって若干異なる」ことを意味します。

太陽は全ての位置の原点ですから、人工衛星の制御から地上の経済活動までどんなところに甚大な歪みが出るかわかりません。閏日や閏秒のおかげで私たちは長期的に狂わない日常を迎えることができるのです。




参考:
7月1日に閏秒が挿入されます(2015/06/26)
※以前に私が「おもしろ!ふしぎ?実験隊」サイトへ寄稿した解説(こども向け)が以下にあります。併せてご覧ください。
うるう日とうるう秒〜狂わない時を刻むおはなし・その1〜(外部サイト)
うるう日とうるう秒〜狂わない時を刻むおはなし・その2〜(外部サイト)

ユーティリティ:ダイヤモンド富士山マップ(冬至→夏至)    ダイヤモンド富士山マップ(夏至→冬至)
ユーティリティ:ダイヤモンド筑波山マップ(冬至→夏至)    ダイヤモンド筑波山マップ(夏至→冬至)

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