地球と月ツーショット・2015年12月上旬編2015/12/10


20151202_1640気象衛星画像

2015年12月2日 16:40-17:10
10月27日の記事で、気象衛星ひまわり8号の画像に時々月が写ることをお話ししました。前もって地球の気象画像に月が写り込む時間を計算しておき、毎月少しずつ探すことにしています。

12月に入り、2日から7日までの間にチャンスが何回かあったのですが、今回はなかなか面白いシチュエーション揃いでした。秀逸だったのが左画像です(画像元:NICTサイエンスクラウド)。これは12月2日の16:40から10分おきに撮影された4枚を合成したもの。通常10分おきに撮影される全球画像(日本付近だけでなく地球全体を写す撮影)での「地球と月ツーショット」は、タイミングの良いときで一日2回(月が地球に隠れるときと出るとき)、ほとんどは1回のみです。でもごくまれに極地方を通過するとき、3回以上、最大4回までのチャンスがあります。

20151207_2040気象衛星画像

2015年12月7日 20:40
私は「4回というのはあくまで計算上だから実現することは無いだろう」と考えていたのですが、あっさり否定されました(笑)。四つの月のうち左二つの上部がスキャンラインで切れてしまってますが、気にならない程度。いわゆる「月の地球によるグレージング(接食現象)」とでも言いましょうか。これにはもう驚くばかりでした。敢えて書きますが、これは歴とした気象観測画像です。

右の12月7日20:40のショットも美しいですね。地球の明暗境界線のすぐ上…いや、すぐ下に、月がいます。これもひまわりのスキャンの都合で切れてしまってるのが惜しい…。

そのほか見つけた三シーンを下に掲載しておきます。月がどこにいるか分かりますか?元画像は非常に見えづらかったので、少し明度を上げてあることをご承知おきください。下右は地球の夜側に見つけた月のため、陸地の国境を合成してあります。拡大画像にある国境はニュージーランド。これも月が切れたように見えますが、切れたのではなくて地球に隠されているのです。今年は12月17日以降月末まで何度かチャンスがあり、特に満月過ぎの晦日、大晦日辺りは(写っていれば)見つけやすいかも知れません。

  • 20151203_1810気象衛星画像

    2015年12月3日 18:10
  • 20151204_1740気象衛星画像

    2015年12月4日 17:40
  • 20151206_2010気象衛星画像

    2015年12月6日 20:10

参考:
立派になってしまった台風26号(2015/11/23)

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