北極星に大接近したパンスターズ彗星2015/10/06

20151006パンスターズ彗星(C/2014S2)
いよいよパンスターズ彗星(C/2014S2)が北極星に大接近する日です。正確には今日6日昼前頃が一番近いのですが、昼間は星が見えません。見える時間帯では6日明け方がベストです。

ところが昨日からずっと曇り続きで、夜半を迎えてもほとんど星が見えません。辛抱強く待ったところ1時を過ぎた頃から晴れ間が出るようになり、断片的ながら晴れと曇りが交互に明け方まで続きました。

20151006月


パンスターズ彗星(C/2014S2)星図
左画像は2:30頃のパンスターズ彗星。左下の明るい星が北極星で、二番目に明るい星は「ポラリスハート」を構成する星のひとつ。画像の向きが通常と異なり、左方向が天の北です。昇っていた月を同じ機材で撮りました(右)ので画角が把握できるでしょう。撮影時の北極星と彗星の離角は27'で、月の視直径より小さいですね。無事見ることができて良かった…。


今後この彗星は北極星から遠ざかります。壊れたりバーストしたりしなければ、今と変わらない光度のまま来年正月過ぎくらいまで北の空をゆっくり移動します。4日の記事にも載せた星図を再度掲載しておきますのでご利用ください。

20151006パンスターズ彗星(C/2013X1)
雲間が開いたタイミングで、もうひとつのパンスターズ彗星(C/2013X1)も撮ってみました。こちらも順調に光っています。年末くらいまでにもう一方のパンスターズ彗星(C/2014S2)より明るくなる計算で、来年の夏前には7、8等まで明るくなる見込みです。当面の楽しみのひとつですね。

ひと通り撮り終わる頃に西から雲が広がり、全天を覆いました。次に雲が引いたときは既に薄明が始まっていました。

今日の太陽2015/10/06

20151006太陽
夜明けから良く晴れました。早朝の冷え込みがあり、だんだん秋が深まっている感じです。

左は10:45頃の太陽。極めて静穏な状態ですね。

20151006太陽リム
西側に見える活動領域12427も数日でリムに消えてしまいます。そのあとはどうなるんでしょうか…。

夕方にもパンスターズ彗星2015/10/06

20151006夕方のパンスターズ彗星(C/2014S2)
明け方にパンスターズ彗星(C/2014S2)を撮ったので夕方は撮る予定がなかったのですが、さわやかに晴れ渡っていたため、つい望遠鏡を向けてしまいました。左は19:30頃のパンスターズ彗星。左の輝星は北極星です。17時間前に撮ったものと比べ、彗星と北極星の離角はほぼ同じ27'でした。ただし画像の向きが異なり、上やや左に天の北があります。下辺に半分だけ写っている輝星が17時間前の画像の「二番目に明るい星」。彗星は確かに動いているのが分かります。

宵の口は光害がひどく、今夜は微光星すら見えません。でも明日朝はこのカメラだと端と端になってしまうので、撮って良かったと思いました。