アルデバラン掩蔽は見えましたか?2015/10/03

20151003月とアルデバラン
昨夜晴れた地域の方は、21時台に昇った月のそばで明るい星が光ってたのに気付いたでしょうか?この星はおうし座の一等星アルデバラン。今年の春ごろには夕空で月と並び、7月以降は明け方にまわって月と並びました。今回は7月13日同様に「アルデバラン掩蔽」、つまり月に隠されてしまう現象が起きていたのです。当地では高度が低かった上に雲が多く、現象そのものは全く見えませんでした。結局月とアルデバランが雲間から顔をのぞかせたのは日付が3日になった頃です(左画像)。もうだいぶ離れちゃいましたね。

こういった月による掩蔽現象は地域性があります。今回は下の概略地図のようになっていました。赤と青のラインにはさまれた地域が現象の見えたところですが、両端のオレンジラインは複雑です。日本近くで説明すると、オレンジ線の東側(福島付近を通る)では「月に隠れる瞬間と月の出が同時」、西側(広島付近を通る)では「月から出現する瞬間と月の出が同時」になるのです。オレンジ線の中の人は「月が昇ったころはもう隠されてて、少し経つと出現」したわけです。快晴で低空まで良く見えたなら、そんな景色が楽しめたでしょう。11月26日夕方にも今年三回目のアルデバラン掩蔽があります。今度は見える範囲が更に広がるので、お楽しみに。

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※望遠鏡アイコンをドラッグすると三脚X印の緯度・経度が地図の下(欄外)に表示されます。自由に移動させてください。

参考:
アーカイブ:1.5等星以上の掩蔽

今日の太陽2015/10/03

20151003太陽
明け方まで曇っていましたが、日が高くなると共に気持ちの良い秋晴れになりました。

左は10:15頃の太陽。端に到達してしまった活動領域12422は今日も活発で、Mクラス・Cクラスフレアを連発しています。

20151003太陽リム
またその辺りから上のリムにかけて、光球面から這い出すようなプロミネンスが見えますね。小さいけどかなり明るくて立派です。左下にも小さいのが出ています。対して、光球面は静穏です。

昨日の爆弾低気圧を振り返る2015/10/03

20151002-0900爆弾低気圧
10月2日9:00の可視画像
10月の扉を開けると、待っていたのは「台風並みの爆弾低気圧に注意」でした。通常台風の元となるのは熱帯低気圧ですが、仕組みの違いはあれど温帯低気圧も急速に発達するケースがあるので、それを爆弾云々と言ってるわけです。そのような低気圧が10月1日から昨日2日にかけて北海道付近を通過し、大きな被害が出ました。爆弾低気圧という言葉は気象庁の正式な用語ではないそうで、個人的にも好きではない言い方です。でも他に言葉が見つからないので使っています。

左は2日9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。台風のようにはっきりした渦を巻いているわけではないけれど、北海道の北あたりを中心に力強い雲の流れを感じ取れますね。

気象庁が発表した同時刻の天気図(右下)も併せてご覧ください。見やすいよう日本位置と低気圧を着色しました。等圧線の異常な混み具合がほんとうに台風のようです。中心気圧は946hPaと書いてありますね。10月1日までに消滅した今年の台風21個の「発生中に達した最低気圧」を調べると、12個が950hPa未満、9個は950hPa以上です。渦状かどうかにかかわらず、周囲との気圧差が開くほど暴風になり雨雲も発達するので警戒が必要みたいです。

20151002-0900天気図
10月2日9:00の天気図
雨がどうだったか見てみましょう。下に1日22時から2日8時まで1時間おきの気象庁レーダー画像を載せます。(下部ボタンで手動パラパラ漫画できます。)雨は深夜中心で、朝にはほとんど止みました。注意すべきは「全国的に」降ったこと。台風のように渦の中だけ注意すれば良いわけではないのです。低気圧中心から1000km以上離れてる近畿や北陸、信越で雨量が大きいですね。弱いながら、なんと沖縄まで及んでますよ…。

御嶽山では24時間降水量199.5mm(2日7:00時点で全国1位)、我が家近くの茨城県江戸崎ポイントも1時間降水量43.5mm(同・全国2位)。天気図の「前線の伸び具合」なんて普段は見逃す方が大半でしょうが、こういうときは端っこの地域まで用心が必要ですね。




いっぽう風は夜半から強くなって、雨が上がってからのほうが強くなりました。左は2日0:01から15:00までに集計された最大風速と最大瞬間風速(気象庁サイト/速報値)。黒線が出てるポイントが観測史上または10月観測史上の最高値を更新した場所。深夜からずっとモニターしててどんどん線が増えていくのには驚きました。

20151002-1500日最大風速
日最大風速

20151002-1500日最大瞬間風速
日最大瞬間風速
低気圧中心近くの北海道もさることながら、かなり遠くでも更新されていますね。無論、更新に関係なく20m/s越えたら文句なく暴風です。北海道・利尻島の本泊ポイントでは最大風速32.6m/s、最大瞬間風速43.7m/s(各々2日の全国1位)に達しました。

この暴風とどこまで関係するかは分かりませんが、当地では2日早朝5時過ぎから3度に渡って竜巻注意報が防災放送で流れました。竜巻こそ起こりませんでしたが関東も強い風でした。2日7:00時点でのアメダス最大風速ランキングでは、関東圏の1位が東京・江戸川臨海ポイント20.4m/s、2位が千葉・勝浦ポイント18.8m/s。また茨城県内では1位が龍ケ崎ポイント12.3m/s、2位が下館ポイント11.8m/s。試しに外に出て立ってみたけれど、「歩くのイヤ」「目を開けてられない、コンタクトの人は悲惨」な状態でした。

20151002水位と積算雨量
ところで当地・茨城県内でもドバドバ雨が降った印象だったので、鬼怒川が心配でした。全国モニターと併せて鬼怒川の水位やライブカメラも見ていましたが、ほとんど変化無しです。参考のため、鬼怒川水海道観測所における水位と積算降水量のグラフを右に提示します。平常時と比較するため、降り始めはるか前の9月30日1:00から描きました。降り始めから24時間も降ってないせいか、水位は20cmほど上がっただけでした。こちらの記事の水位グラフと比べてみてください。桁が違いますね。

「こんな暴風雨なのにこの程度か」と思う反面、9月10日-11日がどれほど異常だったかあらためて感じました。

参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)