暑い夏はどこから生まれるのかなあ2015/08/10

先週は全国的に気温の記録更新や猛暑日連続記録が続きました。8月8日の立秋を過ぎて、心なしか気温が落ち着いた感じです。心理的なものもあるでしょうが、数日前に発生した台風14号の影響などもあるでしょう。日中上がった気温が夜中に十分冷えないまま翌日を迎えるという猛暑のパターンをかき乱す原因が発生しないと、なかなか涼しくなりませんね。

一日の気温変化はどうなっているのでしょう?またそれは数週間、あるいは数十日というスパンでどう変わるのでしょう?小中学生の研究テーマにもなりそうですが、近くのアメダスデータを利用して図を描いてみました(右図・縦の目盛りは℃)。気象庁サイトで公開されている茨城県つくば市(館野ポイント)の7月1日0:00から8月10日0:00までの10分計測・計5760件を全部使った気温変化グラフです。

2015夏の気温変化(つくば)
梅雨明け(7/19)前は一日の変化が2、3度という日があったり、8月頭は34度越えの日々が続いたり…まぁひと目で分かることはすぐ読み取れますね。ある程度の期間を一度に描くことで、最高気温や最低気温に緩やかな周期が見えたり、お天気による数日間の気温の崩れも見えます。

さらに細かく見ていただくため、実は日の出入りが分かるよう、グラフ上にドットを示してあります。小さくて見辛いですが、青い点は日の出、オレンジの点は日の入りです。(計測時刻に合わせ、10分単位に四捨五入して丸めてあります。)つまり青からオレンジまでは昼の気温変化、オレンジから青までは夜の変化ということですね。こうすると夜に入って数時間後あたりから気温変化が緩やかになるとか、必ずしも日出時が最低気温じゃないといった傾向も分かるでしょう。

もうひとつ、気温変化と密接に関係するのが湿度です。これも同様にグラフを描いてみました(左下図・縦の目盛りは%)。※ここでの湿度は相対湿度です。気温の変化とは逆に、昼に下がり夜に上がる日変化が一目瞭然。夜になると湿度上昇にブレーキがかかるのも気温と似てますね。

2015夏の湿度変化(つくば)
さあ、これらのグラフから他に何が読み取れるでしょうか。それはどんな理由なのでしょうか。他の地方ではどんな差異があるのでしょうか。海辺は?山麓は?去年と今年では?100年前は?空気の汚れが関係する?太陽活動は関係ある?気温と湿度以外に何が関係する?更に別の視点で読み解くにはどんなデータを取り、どんな図を描けばいい?ビッグデータは一筋縄ではいかないですよ(笑)

何十年か多くのこどもたちと接し、空というつかみ所の無いものを紹介していますが、「知識が豊富だから実体験を必要に感じない子」と、「豊富な体験してるから知識を必要に感じない子」との両極端に感じます。大切なのは十分な観察と共に読み解く力を養うこと、体験と知識がバランスよくリンクしていること…というのはいうまでもありません。もちろん年齢に関係なく、私たち大人でも同じですね。コピペ論文が成り立ち、成果至上主義がまかり通る時代、特にそう思います。さあ、あらためて、この気温上昇の昨今をどう読み解きますか?

今日の太陽2015/08/10

20150810太陽
昨夜から曇っていて、台風14号の影響が感じられました。茨城県内の一部から千葉にかけて、小雨も降ったようです。当地では正午が近づくほど晴れ間が広がりました。

左は12時少し前の太陽。雲間を突いて慌てて撮りましたので、増が甘いです。昨日観察できなかったせいか、活動領域12396の大きな黒点が急に端に寄ってしまった印象です。
20150810太陽リム
細かなダークフィラメントが多く、賑やかですね。右上の大きなプロミネンスは7日頃から見え始まっていましたが、ずいぶん大きいですね。いつまで見え続けるでしょうか。

内合4日前の金星2015/08/10

20150810金星
いよいよ金星の内合まであと4日となりました。今日正午時点で太陽-金星間の見かけの距離は11度余り。内合時には太陽の8度南を通り抜けます。この時期は太陽に極めて近いため、望遠鏡を使っても見つけるのが難しいです。また太陽と方向が違うとは言え、金星に向けていても望遠鏡内部に太陽光が届いてしまうため、いろいろ工夫しないと危険が伴います。

左は本日12:40頃、雲と風に邪魔されながら撮った金星です。青空に浮かぶ金星の姿は糸くずのようでした。当然ながら8月5日の観察時よりもさらに細く、大きくなっています。内合までにもう一回くらい見られるでしょうか?

参考:
2014年-2015年の金星拡大撮影(ブログ内)

久々の幻日と環天頂アーク2015/08/10

20150810積乱雲
午後は南や南西を中心にやや背の低い積乱雲が発生しました。積乱雲は雷鳴を轟かせながら次第に西へと移動していきます。夕方にかけて何度か見かけました。15:30前、太陽の周囲にごく淡い内暈を発見(画像a)。そう言えば今日は変わりやすい天気の予報でしたから、何か見えるかも知れません。

30分後再び空を見ると、強烈に明るい幻日が!(画像b。)太陽右側のもので幻日環を伴っていました。10分ほど見えていたでしょうか。手前を飛ぶのはダイサギ?チュウサギ?どっちかな?このときは左の幻日は全く見えませんでしたが、何分か見ているうちに淡いのが現れてくれました(画像c)。

  • 20150810内暈
    (a)
  • 20150810幻日
    (b)
  • 20150810幻日
    (c)

いっぽう天頂付近にも変化が。とても薄いながら虹色の光を発見(画像d)。環天頂アークです。出来始めの環天頂アークはご覧のように幅が太く、極端に曲がり、そして淡いです。なかなか見ることができない貴重なシーンなのです。

まだ見えていた内暈と一緒に撮ってみました(画像e)。下に見える内暈のアークに比べ、上の虹色の環天頂アークがいかに暗いか、そしてどれほど太いか分かるでしょう。 その後は低い雲が空を覆ってしまい、何も見えなくなりました。夕方17:30過ぎにもう一度空を見てみたら、今度は太陽左の幻日がとても明るく見えました(画像f)。内暈は断片的ながら日没近くまで見え、また夕方にも残っている積乱雲が今日も淡い反薄明光線を見せていました。

  • 20150810環天頂アーク
    (d)
  • 20150810内暈と環天頂アーク
    (e)
  • 20150810幻日
    (f)