台風12号でもボイス・バロットの法則を見てみよう2015/07/26

20150725_0730台風12号
7月25日7:30の台風12号。画像上端は九州付近。
(衛星画像はNICTサイエンスクラウドより)
7月18日のブログ記事では前回の台風11号が上陸する際の「ボイス・バロットの法則」を実験描画しました。低気圧や台風の位置を手っ取り早く知るのに便利なこの法則、今回の台風12号でも検証してみました。

ボイス・バロットの法則が台風12号の中心をどこまで捉えるでしょうか。前回同様、気象庁サイトで発表されている各地のアメダス風向きデータを元にGoogleMapへ描画してみました。下画像はそのキャプチャです。台風の経路(紺の線)、台風中心位置(青丸)、アメダスポイント(緑点)、風を背にしたときの左前45度方向(赤線)です。下部のボタンを押すと、7月25日6:00から今朝7月26日6:00まで3時間おきの画面を切り替え表示できます。(※赤線は測地に添った方位です。長さは100kmに統一してあり風速とは関係ありません。アメダス風向は元々16方位なので、精度はその程度です。)



前回と違うのは、アメダスポイントが全て島にあるというところです。実際の観測地の様子は想像するしかありませんが、その地区の風向きを大きく変えるような入り組んだ地形や大きな構造物はないものと思われます。ボイス・バロットの法則が実現しやすい吹き曝しの環境と言えるかも知れません。実際に描画結果を比べても、法則から大きく外れるようなケースは前回より少ないですね。台風は見かけ上の渦巻きが崩れてきて少し勢力が衰えましたが、まだまだ元気です。お近くのみなさま、どうぞお気を付けて。

参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)

今日の太陽2015/07/26

20150726太陽
昨夜から透明度の悪い空が続いています。明け方も星が見えることは見えるのですが、2等星止まり。夜が明けてもモヤッとした雲が空を覆っています。

20150726太陽リム
左は13:20前の太陽。薄雲越しです。いつになく像が乱れていました。光球面はいつものように静穏です。中央少し左下の活動領域12390が明るく見えていました。プロミネンスは昨日左端に突出していたものの名残が今日も細く見えていますね。

月と土星の1度台接近は当分見られないから…2015/07/26

20150726月と土星の接近
今夕は月と土星が接近する日。夕涼みを兼ねて薄暮のうちから準備し、待ちました。宵空には絹雲が美しくピンク色に光ります。月にかかってほしくなかったのですが、うっすら覆っているようでした。

日没後30分も経たない明るい空に土星が見えてきました。さっそく鑑賞&撮影。これだけ急ぐのには訳があります。実は最接近が日没前だったので、時間が経つほど離れていってしまうのでした。しかも、今日の接近は離角が辛うじて1度台。月と土星は毎月1回程度近くなるけれど、離角が1度台以下になるのは2018年までありません。(こういうチャンスを逃さないよう中期計画を立てるためにも、天体の接近現象一覧などの先が見通せるアーカイブを作っているわけです。)1度の差くらいたいして違わないでしょ、と思われる方…それは二つの天体をひと視野で堪能した経験が無いのではないでしょうか。

月と土星は500mm望遠鏡+APS-Cデジカメでちょうど収まりました。左画像は月と土星を別撮りではなくいっぺんに撮っています。臨場感が伝わるよう、クリックで大きな画像(1800×2600ピクセル)が表示されますから、スクロールしてお楽しみください。土星は右下にちゃんといますよ。周囲はまだ明るい時間だったけれど、月の明るさに合わせた高速シャッターでは夜空のように暗くなります。前回5月6日の接近時より少し遠いので、月も土星もひとまわり小さいですが、ひと視野のなかでふたつの天体を楽しめるのはこの上なく楽しいものです。