まだペガスス座AG星は明るいです2015/07/10

150710_AGPeg
明け方に外を見てみると雲間から月が見えました。3時をまわり薄明が既に始まっていましたが、晴れ間が全体に広がりつつあります。何か観察できるものがないか考えながら使えそうな機材を組み上げ、例のペガスス座AG星の増光がどうなっているか確かめることにしました。6月26日に観察したときと同じ機材です。

構図を外してしまいましたが、何とか写ってくれました。少し薄雲があったので正確な測光には向きませんが、まだ明るいままキープされてるようですね。周囲の星を参考に7.4等程度の明るさと見積もりました。

明るくなりつつある東の低空にアルデバランやヒアデス星団を確認しました。7月13日のアルデバラン掩蔽観察のイメージがつかめました。久しぶりの晴れ間に七夕の星たちも嬉しそうです。

まだ続いてるトリプル台風2015/07/10

2015・7月トリプル台風
3つの台風が勢揃いしてから6日目。台風9号は昨夜沖縄地方を暴風雨に巻き込んだようで、とても心配です。

右は気象庁発表の3時時点の衛星画像。しっかりと三つの台風が確認できますね。今朝の予報では一番衰えている台風10号が明日熱帯低気圧へと変わる見込みのようですが、それまでは3つの重複が続くわけです。

7月4日の記事で作ったデータを「3つの継続時間順」に並び換えた表を記事末尾に提示しておきます。1981年以降では最も長かったのが156時間(6日半)。現在猛威を振るっている9・10・11号は今朝3時で144時間ですから、夕方までこのままなら1981年以降では寿命がトップのトリプル台風となります。こういう長寿は歓迎されないですよねぇ…。それにしても発生が早かったり長寿だったりと、なんだか不安です。地球規模では些細な揺らぎに過ぎないのでしょうが、自然の前ではちっぽけな人間なんてひとたまりもありません。(追記:結局台風10号は10日9時に熱帯低気圧になったため、今回のトリプル寿命は150時間でした。)

2015・7月トリプル台風の距離
ついでに、台風経路データを元に、台風9・10号と台風9・11号それぞれの間隔(測地線長)がどう変化したかも計算してみました(右グラフ)。台風10号が停滞している間に9号がどんどん距離を縮めたり、11号も負けじと追い上げている様が見て取れます。これは興味深いので、そのうち全部のツイン台風・トリプル台風を調べてみようと思います。

ニュースなどで台風同士が1000km内外に近づくと干渉し合うなんて煽るような報道をしていますが、なんにしてもまだ衰えてない9号と11号は注意が必要ですね。

【トリプル台風の重複時間順位・1981年-2014年調べ】
順位台風番号重複開始重複終了重複時間
11992年24号・25号・26号10月19日(月)10月25日(日)156時間
21994年30号・31号・32号10月20日(木)10月26日(水)144時間
31987年13号・14号・15号9月6日(日)9月11日(金)120時間
41986年12号・13号・14号8月18日(月)8月23日(土)114時間
51993年10号・11号・12号8月23日(月)8月28日(土)114時間
61985年12号・13号14号8月28日(水)9月1日(日)96時間
71991年18号・19号・20号9月16日(月)9月20日(金)90時間
82000年14号・15号・16号9月7日(木)9月10日(日)90時間
91987年16号・17号・18号9月29日(火)10月2日(金)66時間
101999年10号・11号・12号8月20日(金)8月23日(月)66時間
112006年7号・8号・9号8月6日(日)8月9日(水)66時間
122002年6号7号・8号7月9日(火)7月12日(金)63時間
※3つの台風が同時に存在した重複時間のみを比較しています。「各台風の寿命の総和」ではありません。
この文字色の台風は上陸したものです。

参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)

今日の太陽とトンボ2015/07/10

150710太陽
夜明けに月や星を楽しめたのも束の間、その後空は雲に覆われてしまいました。昼前に少しずつ青空が広がり、午後は快晴となって11日ぶりに太陽を拝むことができました。

150710太陽リム
左は13時少し前の太陽。表面はすっかり入れ替わりました。正面と左下に綺麗な黒点たちが出ていますね。明るく見える領域もあります。プロミネンスは右上のやや大きいものが目立ちました。

※午後に今季初のアブラゼミの鳴き声を聞きました。少し遅いかな…?

150710トンボ
もうひとつ、今日はトンボの通過が目立ちました。以前見たときよりずっと少ないものの、撮影した1分内の動画約3000フレームに少なくとも4匹写り込んでいました。そのうちの1匹の動きがとても興味深かったのでご紹介します。

左画像は移動の様子を合成したもの。トンボの「方向転換」の前は10フレームおきに1枚の合成なのに対し、方向転換後は毎フレーム全て合成しています。つまり方向転換した瞬間に動きが10倍になったのです。餌を捕獲するときはよくこういった動きをしますが、上空で何があったのでしょうか?光球から外れてもまだ輝いて見えることや、おしり向きに飛んでいる(風に流されている)のも面白いですね。

やっと夕空に金星と木星が輝く2015/07/10

20150710金星と木星
本当に久しぶりの快晴。夕方には金星が出てくるのが待ち遠しくてなりませんでした。日没前から金星が見え出しましたが、まずはその低さに驚きました。それもそのはず、金星はあと1ヶ月余りで内合を迎え、夕空からいなくなってしまうのです。

20150710金星と木星
7月1日に大接近した木星も側に見え出しました。今日の木星は金星より少し低くなっています。もう結構離れてしまって、時のたつのは早いものだとしみじみ思います。

20150710金星と木星
少し暗くなってから、金星と木星をアップで一緒に撮ってみました。低いので完全に暗くなるまで待つことができません。木星の右下には四大衛星のひとつ、ガニメデが寄り添っています。月末には明るいうちに両惑星とも沈んでしまいますので、向こう二週間程度が今期の宵空で鑑賞できる最後のチャンスと思われます。

この画像にはギリギリ写っていませんが、金星の左上にはしし座の1等星レグルスも見えていました。両星は14日から15日にかけて3度角以内まで大接近します。

20150710金星
金星を拡大撮影してみました。6月7日東方最大離角のころに見えた半月状よりだいぶ欠けましたね。見かけも大きくなっています(左画像と6月7日拡大画像は同倍率です)。これは地球に近づいている証拠なのです。7倍程度のファインダーや双眼鏡で欠けている様子が見えました。内合近くには更に3割り増しくらいになりますよ。

金星は本日前後に「最大光度」を迎えています。素晴らしく明るいこの星を昼間に見るチャンスでもあるんですよ。10日後の7月19日には三日月がそばにいますので、いっそう探しやすいかも知れません。晴れたらぜひチャレンジしてくださいね。

参考:
アーカイブ:惑星カレンダー
アーカイブ:天体の接近現象一覧
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事
2014年-2015年の金星拡大撮影(ブログ内)