あと数日で金星と木星が大接近2015/06/28

201506金星と木星接近星図
間もなく金星と木星が見かけ上大接近します。両惑星は星々の中でもトップクラスの明るさなので、世界中の目を引くことでしょう。日本の夕方西空で最も近く見えるのは7月1日ですが、計算上は少し前、同日昼の12:30頃が最接近です。

残念なことに日本の多くの地域で梅雨のため、接近当日には見えないかも知れません。でも6月29日から7月2日あたりは約1度角以内に収まっていますから、十分近いと言えるでしょう。薄雲がかかる程度なら両惑星の姿を拝めると思います。晴れ間を見つけ、ぜひ目を向けてください。

201506金星と木星接近星図
左上図はStellariumによる今日から7月8日までの11日間シミュレーション、右図は惑星部分の拡大です。観察にお役立てください。金星と木星以外は周囲の恒星で、毎日同じ時刻に見れば「年周運動」のために右下に向かって規則正しくずれていきます。

これに対し、金星はかなり違う移動ですね。木星もよく見れば傾斜の角度が違うし、1日ごとの間隔も恒星より狭いです。このように、惑星は恒星に対して独特の動きをするのです。

20160828金星と木星の接近
ブログ内で今期夕空の金星と木星を観察した記事一覧はこちら。金星と木星の接近、前回は2014年8月8日の明け方でした。次回は今年2015年10月26日の明け方です。およそ年1回の頻度(→こちらを参照)なのですが、今年はたまたま2回起きるラッキーイヤー。また来年2016年8月28日の接近は近年まれに見る近さで、昼間という条件さえ飲めば、左図のようなワクワクする光景が見られるでしょう。

「両惑星の模様や形が同一視野で拡大観察できるほどの超接近」(惑星間が0.1度角以下レベル)という現象は、夜間が望ましい・ある程度の高度確保・光度差が気にならない惑星ペアのみ、等の諸条件まで考慮すると、一生に数えるほどしかありません。きちんと調べてないですが、国内限定なら日食並みかそれ以下の低頻度ではないでしょうか。(追記:調べてみました→2015/06/30記事参照。)今年2回の金星と木星の接近はさほど近くはありませんが、「夕方(明け方)ある程度暗い時刻でも高度があって見やすい」「金星が半月状かつ木星と同程度に大きく見やすい」というふたつの理由で、とても優れたチャンスなのです。

(補記)そう遠くない将来に国内で起こる、上記以外の「見栄えがする惑星の超接近」をいくつか提示しておきます。データは画像内メモをご覧ください。なお簡易シミュレーションのため、惑星や空の明るさは実際と違います。

  • 20160109金星と土星の接近
  • 20181207火星と海王星の接近
  • 20201221木星と土星の接近

参考:
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事
アーカイブ:天体の接近現象一覧

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