うみへび座を撮ってみました・part22015/05/21

20150521うみへび座
5月13日に全天一大きな星座「うみへび座」を撮りました。そろそろシーズンオフなのですが、今夜もよく晴れていますので、別の実験がてらもう一度チャレンジしました。

実験というのは、いわゆる「にじみ星座写真」でうみへび座を撮ること。魚眼や広角の星の写真では高精度に撮れば撮るほどシャープになってしまい、星が見えないくらい小さくなってしまいます。これを避けるためディフュージョン系のフィルターを使って意図的に星をにじませ、少し大きな像にすることで、星座の形をはっきりさせるのです。ただこのフィルターは街明かりなど光害のない場所で使うのが前提で、特に直接光がある場所では霧の中でヘッドライトを点けたように画像全体が明るくなってしまいます。今は遠出ができない身体なので、今回はそれを承知で光害あふれる近所での撮影でした。

20150521うみへび座
左上画像はこれでもマスク処理などで街灯光を押さえているのですが、極端にすると星も消えてしまいフィルターを使った意味が無くなるので、この程度が落としどころでした。1等星以上の明るい星なら確実に大きくふくらんでいますし、暗めの星も少しだけ面積が大きくなって視認性がアップしていますね。

光害のないところなら3、4等星程度まで確実に大きくすることができるでしょう。うみへび座のように目立つ星がない星座を広角で撮るときは有効な手段ですね。ただしレンズによっては特に周辺の星像が丸ではなく歪に広がるため、注意が必要です。

はからずも今夜は「月、金星、木星、土星」を一緒の画面に入れることができました。ひとまず今期の「うみへび座撮影」はおしまいです。街中では制限や限界も多いですが、色々な手段で写し取ってみたいと思います。

(追記)夜中の晴れ間に天頂へ昇っていたこと座を使って、ディフューズフィルター(今回はLEEのNo.4)の効果を撮ってみましたので提示しておきます。星座の形がよく分かるだけでなく、星の色もはっきりしますね。使ったことがある方はもうお分かりと思いますが、焦点距離や絞りなどによって同じフィルターでも効果が変わります。また加算平均して画像を平滑化する場合、フィルターの向きをを毎回変えながら撮ったほうが画質は滑らかになります。(注:背景の色むらは主に薄雲の通過によるものです。)

  • 20150522こと座
  • 20150522こと座(ディフューズフィルター付き)

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