12時間日周と日出没時刻2014/12/27

20141227日周12時間
昨夜から今朝も晴れが持ちそうだったので、また12時間日周を撮ってみました。12月25日の35mmレンズ挑戦のとき最後に曇られたので、もう一度です。前半は月明かりが少し影響しています。途中5コマだけ小さな雲が横切りましたが、そこだけ画像処理して全体が乱れないように合成できました。今回は12時間21分30秒です。これで三種類の焦点距離での12時間日周記録ができました。

ところで12時間日周を記録しながら、あわせていくつか調査しました。夜や薄明の長さがいったいどれくらいか、12時間記録が可能な期間はいつか、といったことです。グラフにまとめたので参考にしてください。算出は茨城県つくば市です。この時刻や時間は場所によって変わるため、直接適用できるのはせいぜい県内(または同じ緯度付近)と思いますが、傾向は日本全国似たようなものと考えられます。

日の出から日の入りまでを「昼の長さ」、24時間から昼を引いたものを「夜の長さ」とします。また、夜から更に市民薄明・薄暮時間を引いたものを「市民的夜」、航海薄明・薄暮時間を引いたものは「航海的夜」、天文薄明・薄暮時間まで引いたものは「天文的夜」としました。(このページだけの呼び方です。)細かく検討するため、秒の位まで時刻を求めて集計しています。

グラフA
昼夜グラフ

グラフAは2014年12月から2015年1月にかけての夜の長さです。冬至がピークですが、プラスマイナス20日間程度は10分くらいしか夜が短くならないことが分かりますね。だいたいこの期間が12時間日周の撮影が可能と思われます。月明かりまで気にするならその中の新月前後一週間に絞られますね。

グラフB
昼夜グラフ

グラフBはAを2015年全体で描いたもの。市民的夜、航海的夜、天文的夜も付け加えました。単に冬は夜が長く夏は短い、と言うことだけでなく、変動時間がどれくらいか、あるいは薄明時間幅が年間で一様ではないといったことまで分かります。

グラフC
昼夜グラフ

グラフCは、更に突っ込んで、グラフAの変化率(加速度)を描いています。夜の長さが前日から何秒変わったかということです。冬至まではだんだん夜が長くなるのでプラスの値ですが、冬至を境にマイナスとなります。あわせて天文的夜の変化率も描いてあります。両者は違う変化をしていますね。何を意味するでしょうか?考えてみてください。

グラフD
昼夜グラフ

グラフDは2015年全体について、C同様に変化率を描きました。Cだけ見ると線形に感じますが、1年というマクロ視点ではこのような曲線です。「夜」と「薄明まで考えた夜」とでは変化のピークが違うなんて驚き。細かいギザギザは秒の少数を丸めてしまった影響と思われます。

これらのグラフは12時間日周の撮影が可能な時間を割り出すだけでなく、空を観察する上で「感覚で受けること」、たとえば日が長くなったとか暗くなるのが早くなったという「感じ」を読み解くのに役立つでしょう。ぜひグラフから色々なことを見つけてください。面白いこと発見できたら、ぜひ教えてくださいね。

説明図
備考:
太陽の上辺が地平線に接する時刻を日の出、日の入りと言うのに対し、各薄明(薄暮)は次の様に定められています(右図)。
・市民薄明(薄暮)…太陽中心が地平線下6度に達した時刻
・航海薄明(薄暮)…太陽中心が地平線下12度に達した時刻
・天文薄明(薄暮)…太陽中心が地平線下18度に達した時刻

参考:
ユーティリティ「太陽と月の時刻表/夜空の時刻表」(※都道府県別の日出没や各種薄明薄暮時刻の計算ができます)

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